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若杉院長が医学の最新の話題を取り上げて書きます。なお、記事に関するご質問、お問い合わせにはお答えしていません。

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川崎病

 1967年 川崎富作先生が報告した、急性熱性皮膚リンパ節症候群を現在は川崎病と呼び、世界的に認められた日本人の名前を冠した疾患の一つです。日本人に多く発症することが知られていますが、2015-16年での発症数が過去最高であることが報告されています(自治医大公衆衛生教室 中村教授)。
 その数は2015年1年間で16,323名(男児9,385名女児6938名)であり2016年は15,272名(男9,675名女6,597)でした。子どもの数は減少しているのに、報告患者数は2000年の患者数約8,000名の2倍近くになっています。
 患者年齢の分布では、3歳未満が全体の64.1%(男児65.1%女児67.2%)で生後9-11ヶ月にピークがみられます。合併症は心臓に関するものがほとんどで、2015年は全体の2.3%にみられましたが、20年前の1998年の数字7.0%からみて3分の1に減っています。
 生後1歳前後は、突発疹をはじめ発熱性疾患に罹患しやすい時期です。川崎病の症状は5日以上長引く発熱・リンパ腺の腫脹・皮膚の発疹・結膜の充血・イチゴ舌・手足の硬性浮腫等であり、明らかに感冒などの症状とは異なります。もしこのような症状でお困りの時は、医療機関受診をおすすめします。
(文責 院長 若杉直俊)