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若杉院長が医学の最新の話題を取り上げて書きます。なお、記事に関するご質問、お問い合わせにはお答えしていません。

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鎮痛剤テープの使用法

 鎮痛剤テープのうち、内科・整形外科を問わず最も多く使用されているテープがモーラステープといって当院でも採用している銘柄です。テープに調合されている鎮痛剤の主成分は、ケトプロフェンといって内服でも用いられることもあります。ところが、このケトプロフェンには注意すべきことがあります。それは、テープを貼ったまま太陽光を長く浴びるとかぶれることがあるのです。
 ケトプロフェンの消炎作用は強力で広く用いられるのはそのためですが、逆にお年寄りが医療機関で処方されたテープを小中学校の孫が使用して、特に子どもは外で遊ぶことが多いですから、テープによる日光皮膚炎が生じる心配があります。もちろん高齢者でもかぶれることがあり、長い間の日光浴は避けるべきものとされています。
市販の外用薬でもかぶれが生じることがあります。代表的なものにクロタミトン(薬品名オイラックス)や水虫の薬のラナコナゾール(薬品名アスタット)などもかぶれを起こすことが多いようです。もちろん、問題のない方は普通に使用継続して構いません。
 モーラステープは、使い回しをしないことが大事です。外で遊ぶことの多い若者には特に要注意です。もし、テープのはった部分が赤く腫れるときにはまずさし控えること、そのうえでケトプロフェンが原因であれば、パッチテストという薬品を皮膚にはってかぶれがあるかの検査をします。比較的多いかぶれの原因ですので、気になる方は必ず医師に相談してください。(文責 院長・若杉 直俊)