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若杉院長が医学の最新の話題を取り上げて書きます。なお、記事に関するご質問、お問い合わせにはお答えしていません。

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経口免疫減感作療法薬(2)

 以前にスギ花粉のアレルギーを、口腔内に投与して徐々にアレルギーを改善する薬の話をしました。使用上の注意として、スギが飛び交う1月以降4月一杯は治療開始を避けることや、急変に備えて午前中に薬を使用することなどです。今年から使用を開始した方々は、次のシーズンにその効果が実感できるはずですが、今日開設したいのはそのダニ版が2015年11月から発売されたことです。
 シオノギ製薬と鳥居薬品から、発売されました。当院は耳鼻科を標榜していないので、スギの治療薬の使用経験はありません。しかし、春季にはスギ・ヒノキのアレルギーによる目のかゆみや、鼻水・鼻づまりの患者さんがたくさん来院します。小児科・内科の医師でも安全に使用できるならぜひ治療を試みたいと思ってはいますが、さらにダニアレルギーに対する同様薬がでるということは、この治療がそろそろスタンダードになりつつあるのかもしれません。ただしくれぐれも気をつけて欲しいのは、通常の抗ヒスタミン薬内服と比べ副作用にも注意していただきたいということです。
 ダニアレルギーのある方は、室内の清掃をこまめにし湿気をこもらせないことが重要です。畳にカーペットを敷くと、その間にダニが多く繁殖します。しつこい咳やアトピーの原因がダニにあるとすれば、このクスリの検討もなされてもよいかもしれません。
(文責 院長・若杉 直俊)