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若杉院長が医学の最新の話題を取り上げて書きます。なお、記事に関するご質問、お問い合わせにはお答えしていません。

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かかりつけ小児科

 日本では、2年に一度 保険点数の改訂があります。これは国が医療機関で行われるさまざまな医療行為に対して公的な値段を決める行為です。医師・保険団体(社会保険や国民健康保険)・学識経験者の3者代表が話しあい国民医療費の枠組みを決定します。そのなかで国がこれからの医療をどのように考えるかの方策が、新規医療行為の点数付けに示されます。
 平成28年度に導入された新規項目に、小児かかりつけ診療料があります。3歳未満の児に対して、かかりつけ医が日頃からの健康相談やワクチンスケジュールなどにも気軽に対応する制度です。岩槻では、ほとんどの乳幼児は医療費無料なので皆さんが窓口で負担を強いられることはありません。
 国はこれから子どもの数が減る中で、子育て中の保護者により気軽に小児科医と相談して欲しいという方策を込めたものです。ただしこの制度がすべての小児科医療機関で採用されることはないでしょう。それは診療時間外の電話対応が小児科医へ義務づけられているからです。そして患者はそのかかりつけ医を1つの医療機関に定めることが決まっています。当院は、以前から小児在宅も手がけており時間外対応もしています。国の趣旨にそって、この制度を受け入れる予定です。(文責 院長・若杉 直俊)