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セルフメディケーション税制

 OTC薬という名前をきいたことがありますか。OTCとは、Over The Counter(カウンター越しに)という言葉の略で、従来医療機関のみで処方していたものを薬局で購入することが出来るようになった薬剤を意味します。テレビコマーシャルでも、お医者さんと同じ薬と称して放送しています。花粉症のアレグラや鎮痛剤のロキソニン、胃薬のガスターなどが有名です。
 WHOでは、自分で自分の病気を治すことをセルフメディケーションと定義していますが、その趣旨で病院受診せず薬局で効果の確実な薬を購入した場合、税制面で優遇する制度が発足しセルフメディケーション税制とよび、平成29年度(30年の申告)から始まります。
 税の還付を受けるためには、まず薬局のレシートを必ずとっておくことが重要です。購入された薬品の外箱には、セルフメディケーション 税控除対象品 の刻印がおされているはずです。くわしくは薬局で相談下さい。所得税・住民税を支払っている家庭で、年間1万2千円以上の購入で対象になります。従来の医療費控除は10万円以上でしたから、ハードルは下がったわけです。ただしこの控除にはもう一つ条件がつきます。申請者が、1年間に会社や自治体の各種検診をうけていることが前提条件です。
 医療者として各種の検診を多くの方に受けて欲しいのですが、現在の受診率は40%前後であり、国もアメとムチで国民に健康を強いる時代となってきているようです。
(文責 院長 若杉直俊)