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白斑の話

 白斑症は、年齢にかかわらず徐々に皮膚の色素が脱落する疾患です。先天的な疾患と後天的な疾患があります。日本人は黄色人種です。黒人種ほど皮膚は黒くありませんが、皮膚の基底部にあるメラノサイトから分泌されるメラニンが皮膚の色を生じさせます。このメラニンが失われると境界明瞭な白斑が生じ、白斑症と診断されます。
 白斑症は進行性の場合が多く、その範囲は徐々に広がっていきます。生命の危機に直結する疾患ではありませんが、できれば正常な皮膚へと戻してあげたいものです。その治療は、まずはステロイドの外用です。メラニンを自己免疫で破壊する細胞の働きをおさえる作用を持つステロイド使用して治療します。軽症例には効果がありますが、中等症以上はあまり効きません。次に行うのが、光線療法です。ある種の薬を事前に投与して、その後紫外線を照射します。色素脱失した部位にメラニン色素が回復し、白斑症が目立たなくなります。
 これらの処置は、皮膚科で行われます。学童以上のこどもでも治療可能です。すべての白斑が改善するかはケースバイケースですが、皮膚の状態でお困りの方は皮膚科への相談をおすすめします。
(文責 院長・若杉 直俊)