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若杉院長が医学の最新の話題を取り上げて書きます。なお、記事に関するご質問、お問い合わせにはお答えしていません。

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慢性疾患予防事業

 日本人の3大生活習慣病が、高血圧 糖尿病 高脂血症であることは皆さんご存じでしょう。このうち糖尿病は様々な合併症をおこし、そのなかで一番やっかいなのは糖尿病性腎症です。最終的には透析が必要です。現在透析患者は右肩上がりで増加し、1人年間500万円の医療費を必要とします。透析患者を減らすためにも、糖尿病を早期にみつけ生活改善を図ることが必要です。
 さいたま市でも、各種健診から糖尿病重症化予備軍を探し出し、医師・保健師による個別指導を強化する体制を構築しつつありますが、2015年2月14-15日慢性疾患重症化予防学会が開かれ、そのなかで人口7万人の千葉県いすみ市から以下の報告がなされました。2010年に4年後に30人増加すると予測された市内の透析患者が、市の予防雄事業で実際 2010年124人の患者が2014年は123人と抑制出来たというのです。この事業によりかつて1億2千万あった市の医療への拠出金が、2千万へ削減されました(メディカルトリビューン4月2日号から)。いすみ市は2010年から、医師会や近隣の県立病院の協力もと 保健師・栄養士が予備軍の患者さんたちへ手厚い指導を行ったそうです。
 冒頭述べたように、さいたま市でも同様な事業が展開されるようです。糖尿病の検査でヘモグロビンA1Cの値を7%未満に保つことが、合併症の予防に重要です。まだ健診を受けていない方は、まず健診を。その上で糖尿病が見つかった方は、ぜひ早期に治療をすることをおすすめします  (文責 院長・若杉 直俊)