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若杉院長が医学の最新の話題を取り上げて書きます。なお、記事に関するご質問、お問い合わせにはお答えしていません。

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ロコモティブ症候群

【ロコモティブ症候群】

 ロコモティブ症候群とはなんでしょうか。すでにご存じの方もいるかもしれませんが、聞き慣れない方のほうが多いでしょう。2007年 整形外科領域から出てきた言葉です。人生90年の時代、最後まで立位保持 歩行による移動が可能なら、つまりねたきりゼロが可能ならなんてすばらしいことでしょう。このことをめざして、まずは一人びとりがどれだけの立位保持 移動能力をもつか認識する、そしてもし低下している場合 それがどの年齢相当のレベルか知る、さらにその能力を回復する努力をする、これがロコモティブ症候群の考え方です。
 年齢をかさねると、座位から立ちあがる際不便を覚えます。そこでどれくらいの高さの腰掛けから立ち上がる能力があるか、ロコモティブでは 40 30 20 10cmの台に腰掛け、片足一本で立ち上がる能力をみます。もちろん 転ばないように見守りがつく必要があります。左右の足で何cmの台で立ち上がれるか記録しますが、40cmでも片足が無理なら、両足で立ちあがることができる最低の高さを記録します。
 歩行速度が落ちるのが、高齢者の特徴です。これは歩幅が小さくなるからです。そこで出来るだけ大きな歩幅で2歩歩き、その距離を身長で割った数字を記録します。次に つかまる場所を確保しながら手は離して、片足で何秒たっていられるか測定します。さらに、日常生活全般の行動を25問 質問票に記入して回答する、それぞれ0から4点を配して合計100点で評価します。具体的な内容はインターネットなどで調べることが出来ますから、興味ある方はぜひトライしてみてください。もちろん無理は禁物ですが。
 ロコモティブ症候群を理解し、自分の能力を知ることは少しでもねたきりを防ぐためにも重要です。詳しく知りたい方はかかりつけの整形外科や内科等へお問い合わせください。 
(文責 院長・若杉 直俊)