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若杉院長が医学の最新の話題を取り上げて書きます。なお、記事に関するご質問、お問い合わせにはお答えしていません。

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えっ、子どもでもコレステロール値が高いの

 さいたま市では、小学4年生で肥満度が30%以上の場合血液検査を施行し、コレステロールや血糖の異常がないかを調べます。しかし肥満がなければ、まずこどもがコレステロール値を目的にする血液検査はしません。しかし、正常体重でも高コレステロール血症のこどもは存在します(www.j-athero.org/specialist/fs-s.html)。
 家族性コレステロール血症(以下FHという)という病気があります。FHはタイプ別に1から5型に分類されます。このなかでコレステロール(特にLDLコレステロール)が高いと、10歳頃から頚動脈エコーで動脈硬化が顕在化することがしられています。ヘテロ型のFHで500人に1人ほど診断されます。2、3親等の血縁にFHと診断された方がいる場合、こどもでも血液検査を受けるべきです。
 もし小児FHと診断された場合、従来のガイドラインでは血液アフェレーシス(透析のようなもの)が治療の主体でしたが、3年前から大人と同じスタチン系の薬剤内服も考慮されてきました。実際、アトルバスタチンやプラバスタチンなどは小児への適応も通っています。FHをしっかり管理しないとどうなるか。成人期になって、脳血管疾患(脳梗塞等)や冠疾患(狭心症・心筋梗塞)を高率に発症します。2017年第48回日本動脈硬化学会の中で、FHワーキンググループは、2017年度ガイドラインにむけてスタチン系の薬剤を治療の主体に置く提案をして、多くの賛同を得ています。ここで申しあげたいのは、コレステロールがきわめて高値の方がいる家庭においては、ぜひお子様方にも目を向けていただきたいと言うことです。(文責 院長・若杉 直俊)